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著者:野村ケンジ

カナル型イヤホンにとって、イヤーピースはとても重要な存在。装着時の心地よさはもちろんのこと、音漏れを防止したり、音質にまで大きな影響を与えてしまうことだってあるからです。そういった重要性が認知されてつつあるためか、近年はしっかりした造りの“市販イヤーピース”への注目が高まってきつつあります。

数ある市販イヤーピースブランドのなかでも、シリコン製イヤーピースの老舗のひとつといえのが、SpinFitです。傘の部分が柔軟に傾く特許取得の3Dクッション構造や、装着感の高いデザインなどによって、耳中へ柔軟にフィットしてくれることから、現在も幅広いユーザーから人気を集めています。そんなSpinFitから、新モデルとして「CP1025」および「CP360」が登場しました。

 

目次 

 

SpinFit CP1025

 このうち「CP1025」は、AirPods Pro用のアダプタを付属した「CP1025 & Adapter」、Galaxy Buds Pro用アダプタが付属した(Jabra Elite 85tにもそのまま利用できる)「CP1025 & CPA2」がすでにラインアップされていますが、新製品はその「CP1025」はアダプターレス仕様といるもので、様々なTWS(完全ワイヤレスイヤホン)やイヤーモニター型有線イヤホンに幅広く利用できるパッケージとなっています。しかし、単なるアダプターレスではなく、素材が医療用シリコンに変更され、色についてもこれまでの薄い乳白色からクリアカラーになるなど、全く新しい製品に生まれ変わっています。傘部分の高さが低めの本体デザインはこれまでと全く変わっていませんが、全体がクリアカラーであること、軸の部分の色(サイズを見分けられる)も薄い色になってているこちから、見た目の印象が随分と変わりました。

 ラインアップは、隣り合ったサイズを1パッケージにしたS/SS、S/M、M/ML、ML/Lの4タイプが用意されています。

 

SpinFit CP360

 いっぽうの「CP360」は、「CP1025」に対してやや背の高いデザインとなっていますが、こちらもTWSや有線イヤホンをメインターゲットとした製品となっています。既存モデルに対して、パッケージが新しくなったこと、カラーがクリアに近くなったことがいままでの製品との際で、素材に変更はないとのこと。しかしながら、「CP360」は以前から医療用シリコンが採用されていますので、逆にみれば、「CP1025」が最新世代に追いついたといえるのかもしれません。また、今回のマイナーチェンジに合わせて軸部分のカラーが薄くなっていることから、軸の堅さが微妙に変化し、音質にある程度の変化が生じている可能性もあるそうです。

 なお、こちらも隣り合ったサイズを1パッケージにしたS/SS、S/M、M/L、L/XLの4バリエーションが用意されています。

 

 

イヤホンで使ってみた 

 このように、新しくなった「CP1025」と「CP360」は、どちらもTWSやイヤーモニター型有線イヤホンをメインターゲットとした製品に仕立てられています。使用するイヤホンの形状、装着感の好みによってチョイスできる2つのバリエーション、といったイメージで捉えても良さそうです。たとえば、普通の装着をおこないたいイヤホンは「CP360」のほうがベストかもしれませんし、耳穴の奥の方までイヤホンのノズル部が入り込むタイプや、逆に入口浅めまでしかノズルが来ないタイプなどは、「CP1025」との相性がよいかもしれません。

 そこで、今回はTWSを中心に様々なイヤホンで「CP1025」と「CP360」、どちらとの相性が良好かをチェック。同時に、純正イヤーピースからのサウンドキャラクターや装着感の変化もレビューさせていただこうと思います。

 

 

1.Technics EAH-AZ60

 

 まずはテクニクスブランドの新モデル、「EAH-AZ60」から。純正のイヤーピースはやや長め、内部にフィルターが入っている専用品となっていて、イヤーピースを含めてチューニングされていることが窺えます。

 こちらを「CP360」を変更してみると、想像通り、ノズル先端が少し短め、装着がほんの少し浅い印象になります。とはいえ、フィット感は変わらないばかりかかえって高くなっていて、使用時にポロリとこぼれ落ちる心配はまずないでしょう。装着時の心地よさも、「CP360」が一枚上手です。

 音は、ダイレクト感が増したイメージで、ヴォーカルがいちだんとリアルに感じられます。低域の迫力も増してくれます。純正の音の方がバランスの整った、ジェントルな傾向のサウンドキャラクターなので、どちらがよいかは、好み次第といったところでしょうか。

 いっぽう、「CP1025」だと装着位置が浅くなりすぎ、少し低域も抜けてしまうため、組み合わせとしては「CP360」を選ぶほうが良さそうです。

 

2.Jabra Elite 7 Pro

 

 続いてJabraの新モデル「Elite 7 Pro」をテスト。Jabraの既存モデル「Elite 85t」には、Galaxy Buds Pro用「CP1025 & CPA2」をそのまま利用できましたが、「Elite 7 Pro」では現在まだそういった設定の製品がないため、素直に「CP1025」と「CP360」を試してみました。

 純正のイヤーピースが傘の高さ低めタイプのため、まずは「CP1025」からと思いましたが、こちらは接続部の遊びが大きすぎて適合できず(「CP1025 & CPA2」のような何かしらのアダプターが必要なのかもしれません)。そこで、「CP360」を試してみたところ、イヤーピース先端がノーマルよりも少し奥に入り込むため、普段使用しているものよりもワンサイズ小さめが良さそうです。筆者も普段よりワンサイズ小さいSにしてみたところ、イヤーモニター然とした奥目のポジションでピタッとフィット。純正よりもフォーカスの高い、クリアなサウンドを楽しむことができました。もう少し柔らかい音色、BGMに適したサウンドで楽しみたいという人は純正イヤーピースのほうが良さそうですが、フィット感の高さで「CP360」はなかなかの魅力なので、どちらがよいがは悩ましいところです。

 

3.JBL TOUR PRO+

 

 次に、JBL「TOUR PRO+」を試してみました。こちらは、先に純正と傘の高さが近い「CP360」から。

 純正の傘部分がかなり柔らかいこともあってか、「CP360」に変更するとピタッとフィット。音も、ソリッドでエッジの効いた表現にシフトします。女性ヴォーカルなどは耳に届きやすくなりますが、やや低音が控えめな印象もありました。

 そこで「CP1025」に交換してみると、想像以上に抜群の相性でした。SpinFitならではのダイレクト感の高いサウンドのまま、帯域バランスが純正に近い印象に変わってくれます。低域のフォーカス感が高まった分、いちだんと疾走感のある演奏になりました。装着感も快適になってくれますので、純正も含めて「CP1025」がいちばんのオススメといえます。

 

4.GLIDiC TW-6100

 

 続いて、GLIDiC「Sound Air TW-6100」をチェック。こちらも純正の傘が「CP360」に近いことから、「CP360」から試してみることにしました。

 もともと、カスタムイヤホンメーカーのカナルワークスが監修をおこなっているイヤホン本体のため、そのままでも装着感は抜群ですが、純正イヤーピースはごくありふれたデザインのものを採用しているためか、装着感については好みが分かれるかもしれません。実際、「CP360」に交換すると、耳穴部分はとても自然なフィットとなり、いちだんとクリアな、清々しいサウンドが楽しめるようになりました。普段のサイズですと低音が弱くなりがちなので、好みによってはワンサイズ大きくしてもよさそうです。

 いっぽう、「CP1025」はイヤホン先端が大分短くなってしまうため、フィット感はあまりよくありません。逆にいえば、装着感の好みによっては「CP100+」などもっとスタンダードなデザインをチョイスするのもアリだと思います。

 

5.GLIDiC Sound Air TW-4000

 

LIDiCは、小柄なサイズと重低音の両立が特徴の「Sound Air TW-4000」も試してみました。こちらもイヤホン本体はカナルワークスによる監修がおこなわれていて、さらに小型軽量タイプ、耳の小さい女性でも快適なフィット感を提供できるよう追求されたモデルとなっていますので、純正イヤーピースでも装着感は良好です。

 しかしながら、「CP360」に交換するとさらにフィット感がさらに向上、心地よい食感に生まれ変わってくれます。また、音質的にも影響があり、ヴォーカルはグッと距離が近づいた、ダイレクト感が増した証言となってくれます。もともと「Sound Air TW-4000」はかなり低音強調サウンドになっていますので、もう少し普通のバランスがいいという人は、普段よりワンサイズ小さい「CP360」を試してみるのがオススメです。

 「CP1025」はノズル先端の形状により良好な組み合わせとはいえませんが(それでも簡単に外れたりすることはないのでギリギリ実用可能です)、純正と同じく低音つよめのサウンドバランスで、かつヴォーカルなど中域がかなりクリアな印象になってくれますので、この音が好み、という人には好ましい選択になり得ます。

 

6.NUARL N6 Pro series2

 

 さらに、NUARLの「N6 Pro series2」も試してみました。NUARLはイヤホンなどポータブルオーディオ製品をメインに展開する日本ブランドですが、イヤーピースにもこだわりがあり、自社開発したものを同梱しています。「N6 Pro series2」には、シリコンタイプの「Block Ear+」が付属していました。

 純正は、密閉感が高く、音質的にも悪影響のない良質な印象ですが、「CP360」に交換すると、ほんの少しダイレクト感が高まってくれます。また、高域がほんの少し穏やかな印象に変わり、その分わずかですが聴き心地がよくなります。装着感はそう変わりませんので、音の好みどちらにするかをチョイスすればよいかな、と思います。

 ちなみに、「CP1025」はそもそも装着が不可能でした。

 

7.BANG & OLUFSEN Beoplay EQ

 

 BANG & OLUFSENのフラッグシップTWS「Beoplay EQ」もチェックしました。純正はカラーこそあわせているものの、ノズル部が太め以外はごく普通のデザインてせす。いっぽう、柔らかめの素材が採用されているため、装着感は悪くありません(それほど良くもないですが)。

 「CP360」に交換すると、タッチの柔らかさはほとんど変わらず、それでいてしっかり感がアップしてくれましたので、安心して聴き続けることができそうです。音質面では、高域のピークが目立たなくなり(わずかな差ですが)、聴き心地のよさがアップしました。実は、今回試聴したTWSイヤホンのなかでも、1、2を争う相性のよさがこの組み合わせです。

 「CP1025」はギリギリ装着可能といった感じですが、音質的にはバランスのよい落ち着いた音色を聴かせてくれます。もともと「Beoplay EQ」のイヤホン本体はやや大柄となっているため、浅めに装着したい人(または浅めにしか装着できない人)もいるはず。そういった人には「CP1025」は有力な選択肢だと思いますが、抜群に相性のよい「CP360」のほうをオススメしたいところです。

 

8.NOBLE Falcon 2

 

 アメリカのイヤーモニターブランド、NOBLEの完全ワイヤレス「Falcon 2」は、イヤーモニター然とした装着感のよいデザインと、長めのノズル部が組み合わされています。そのためか、純正イヤーピースは傘の高さが短めの、横から見ると台形に近いデザインのものが付属しています。結果として、小さめのイヤーピースを選ばないと耳穴が必要以上に広げられることになってしまい、快適な装着感を得られることができない傾向にあります。

 「CP1025」に交換してみると、無用な広がり感がないままで、高いフィット感を確保してくれます。最初は耳穴を広げる圧力がなくなったため不安に思ったほどですが、実際にはずれたり落ちたりすることなく、ピッタリとフィットしてくれています。サウンドも、ダイレクト感が増したおかげで、「Falcon 2」本来の持ち味であろう、解像感の高さやフォーカスのよさ、ダイナミックな抑揚表現をもつ、フレッシュで活き活きとした演奏を楽しむことができました。今回試聴したなかでもベストマッチといえる組み合わせだと思います。

 いっぽう、「CP360」は傘が高いためマッチングはあまり良くはありませんが、耳の奥でしっかり固定したい、という人には、2サイズ小さいものを付けてピッタリフィットさせるという手もあります。とはいえ、抜群のマッチングを見せてくれた「CP1025」をイチオシにさせてもらいます。

 

9.AVIOT TE-BD21J-pnk

 

 TWS製品に置ける先進性と日本人にマッチしたサウンドによった高い人気を集める国産ブランド、AVIOTの「TE-BD21J-pnk」も試してみました。

 純正イヤーピースは、傘短め、かつ楕円タイプという特殊なタイプが採用されています。そこで、高さの近い「CP1025」から試してみることにしました。ノズルが楕円形なので、装着にはちょっとしたコツが必要でした。また、「CP1025」の傘部分の形状によるものか、1サイズ大きいもののほうがフィット感がよさそうです。それでも、装着感に落ち着きがありません。音質的には、ストレートでクリアな表現が楽しめるのですが。

 そこで「CP360」に替えてみると、こちらはぴったりフィットしてくれました。さらに、低域の量感が増え迫力あるサウンドに変化。銃声とは帯域バランスが異なりますが、こちらのほうが好み、という人も少なからずいそうです。イヤーピースの大きさについては、「CP360」の場合はワンサイズ小さめをオススメします。

 

10.AVIOT TE-D01q

 

 AVIOTはもうひとつ、小柄かつ個性的なイヤホンデザインを採用する「TE-D01q」もチェックしました。こちらの製品も傘が短い横から見ると台形に使いデザインの純正イヤーピースを採用していますが、「TE-BD21J-pnk」とは異なり、真円タイプとなっていました。

 イヤホン本体にはイヤーピースだけでなくフィンも付属しているタイプなので、装着感は高いはずですが、純正イヤーピースだと何故かしっくりと収まってくれません。そこでまずは傘部分の高さが近い「CP1025」から試してみたところ、充分なフィット感をもたらしてくれました。安心できる装着感といえます。音質に関しても、ノズルの先(のイヤーピース部分)が短くなるためか、かなりダイレクト感が高まり、いちだんとメリハリのよいサウンドを楽しめるようになりました。

 「CP360」の装着感も良好でした。純正よりもほんの少し耳の奥までイヤーピースが入り込むので、1サイズ小さい方がよいかもしれません。音も「CP1025」ほどではないもののダイレクトさの高まってくれているので、装着感の好み(純正と変わらない位置でよりしっかりしてくれる方がよいかもう少し奥まで入った方がよいか)で選べばよいかと思います。ちなみに、筆者の好みは装着感が「CP1025」、音が「CP360」と悩ましい結果になりました。

 

11.ag TWS04K

 

 finalがプロデュースする新進気鋭の国産イヤホンブランド、agのフラッグシップTWS「TWS04K」でも試してみました。agにはfinal製のイヤーピース「Eタイプ完全ワイヤレス用」が付属していますが、finalもイヤーピースにこだわりを持つメーカーなので、どういった音の変化が起こるのか興味深いところです。

 傘の部分がかなり柔らかいというか薄い純正品は、装着感も軽快でサウンド的にも良好なバランスを持ち合わせています。とはいえ、「CP360」もなかなかの役者。装着時の心地よさでは(医療用シリコンをチョイスした恩恵か)「CP360」が一枚上手で、音もダイレクト感が勝っていました。さらによかったのが「CP1025」で、装着感の軽快さ、音のダイレクトさにおいて3タイプのうちいちばんの優秀さを持ち合わせていました。しかし、低音がかなり量感を増すなど、「TWS04K」本来のバランスからは随分離れてしまうので、ユーザーの好み次第でベストな選択は変わりそうです。

 

12.acoustune HS1300SS

 

 いちばん最後に、有線イヤホンもチェックしてみました。acoustune「HS1300SS」は、オプションでカスタムイヤーピース「ST300」が用意されているため、純正(付属しているもののうち今回は「AET07」を使用)とSpinFit「CP360」、カスタムイヤーピース「ST300」の3つを比較試聴しました。

 まず、純正に対して「CP360」は一枚上手の心地よいフィット感を持ち合わせています。音も、ダイレクト感が高まってくれる傾向があります(TWSイヤホンの時とほぼ同じ変わりようです)。ただし、「HS1300SS」は高域にちょっとしたクセがあるため、それが少し目立つようになります(その代わりに空間的な広がり感がよくなってくれます)。どちらを良しとするか好み次第ではありますが、こと装着感の心地よさについては「CP360」が勝っています。

 対して「ST300」は格別といえるフィット感の高さ、音色傾向のニュートラルさを持ち合わせており、「CP360」の実力を持ってしてみかないません。当然ですよね、高額なカスタムイヤーピースなのですから。

 このように、装着感の確かさ、音のピュアさの両面において「ST300」がベストだったことは揺るぎませんが、「CP360」もかなりいい勝負をしてくれたことに驚かされました。特に装着感については、イヤーピースとしてかなりの優秀さというか、心地よさを持ち合わせていると感じました。

 

まとめ

 このように、SpinFitの新モデル「CP1025」と「CP360」は、

1.装着感の心地よさ

2.ダイレクト感の高いストレートなサウンド表現

という2の大きなメリットを持つ、なかなかに優秀な製品だと感じました。「CP1025」と「CP360」のどちらを選ぶかはあくまでもイヤホンとの相性次第、装着感の好み次第なので、今回の記事を参考に、自分にとってベストなほうをチョイスしていただけたらと思います。

 


 

野村ケンジ

オーディオビジュアル系ライターです。いろいろな雑誌やWEBメディアに原稿を書かせてもらってます。TBSテレビ開運音楽堂「KAIUNセレクト」コーナーのアドバイザーもやらせてもらってます。Youtubeも細々続けてます。

 


 

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